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- ドイツ週末紀行其ノ三 ビールの苦みの向こう側によみがえる学生時代の喜怒哀楽
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2014.11.02 Sunday(7月20日のお話)
昨日は本当に暑い一日だったので疲れたのでしょう、目を覚ますと既にお天道様は高く昇っていました。そして、今日も既にとっても暑いです・・・
今日は大学のロシア科の同期であるリューバに会うので、観光そっちのけで東部のFrankfurter Tor駅に向かいます。昨日電車で行ったり来たりしたこともあり、行先や時刻確認は慣れてきましたよ。
そして、下り立った駅を出て西側に見えるのがこちらのカール・マルクス・アレーです。このあたりはスターリン様式の建造物群があることで知られています。
この駅の周りで暑さに耐えてうちわをパタパタさせながら待つこと約10分・・・通りの向こう側に見覚えのある顔が現れました!しかも乳母車付き!
我々が感動の再会を果たしたのは、信号が青になった横断歩道の真ん中、ではなく、とりあえずこちら側に渡って来てからのことでした。約7年くらい会っていなかったのでしょうか?まさかこうしてヨーロッパで再会できるとは思いませんでしたが本当に嬉しいです。可愛らしい息子さん(当時わずか生後14か月)にもご紹介頂き、「ああ、僕たちももうこんな年齢になったんだなあ、でも今日のこの時間だけは大学生だぜ・・・」なんて思ったものです。
彼女とはかくかくしかじかで劇で共演したり、モスクワ留学中に酩酊したり、他にも学科の飲み会やらイベントやら、数々の戯れが思い起こされてきました・・・いろんな喜怒哀楽を満喫した大学時代が泣けるほど懐かしいです(笑)とは言え、立ったまま話をしているわけにもいかないので、近くのモロッコ料理店に腰かけてとにかくお互いに口を動かしました。あ、食べるのも喋るのもです。
ランチが済んだ後は恐縮ながらお近くのお宅にまでお邪魔させて頂きました。旦那さんともモスクワ留学中に知り合ったのですが、生憎この週末は出張でご不在。仮に会えたとして、体重の変化とか髪形の変化なんかが著しいため思い出してもらえるか不安ではありましたが(笑)
元気いっぱいの息子さんに多少手を焼いている感じがしたので、これを機会とばかりに私も子育ての実地演習をさせてもらいました。屋外をベビーカーで走行する、赤ちゃん用のバスタブで行水をさせる、おやつ(バナナ)を食べさせる、暑いので持参したうちわの使い方を指導する、などなど、とっても新鮮な体験が出来ました。これだけでも子育てってとってもタイヘンだなあ、なんて思ってしまいました。世のお母様方、お疲れ様でございます。
個人的にはとっても楽しかったですし、お利口さんの息子さんのご協力のお蔭であまり酷い目にも合わず、未来が変わってしまうこともなさそうです(笑)
ほぼノンストップで続いていたおしゃべりの内容については個人が特定されやすい内容が多いので詳述しませんが、とにかく嬉し楽しい素晴らしい再会でした。欧州でのお互いの奮闘ぶりと、これまでに変わったところと変わっていないところなんかがそれぞれ感じ取れたかな。留学時代みたいにビールも一緒に飲んでくれて本当にありがたい限りでした。次回はベルギーで再会できるといいですね・・・?
旦那さんにもどうぞよろしく、としっかり御礼を申し上げてお宅を辞去したあとは、一端Frankfurter Tor駅に戻り、そこからトラムで南下し、イーストサイド・ギャラリーに沿ってふらふらと歩いてみました。
シュプレー川に沿って現存するベルリンの壁が、様々なアーティストによって思い思いに彩られています。歩いた感じ1km以上の距離があったと思います。
とにかく暑い日でしたので水分補給をしながらこんな感じの通りを西に歩いて行きました。
モダンアートの何たるかはわからないので、以下にいくつか壁の絵を紹介します。(「じゃあ古典アートの何たるかはわかるのかよ?」と問われるとそれも困ってしまうのですが)
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・何だか芸術的な落書きがされていますが、これなんかとっても有名なんじゃないでしょうか(笑)
こんなのとか・・
「ベルリンの壁イーストサイド・ギャラリー」壁沿いに歩いて行くと幾つか同じものを目にすることが出来ます。
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・これは五重塔とフジヤマ、そして日出国のイメージでしょうね。
こんなのとか・・
こんなのとか・・
こんなのとか・・
途中にはこんな建物もあります。屋上でくるくる回転しているんですよ。
こんなのとか・・
作品のそれぞれに気の利いたコメントが出来ませんが、チャンスのある方は是非とも足を運んで壁の存在を肌で感じてみて下さい。そろそろギャラリーも終わりかな・・・?と思った頃に、オストバンホフ駅が見えたので、電車で移動することにしました。
やってきたのはブランデンブルク門。昨日は野外ステージがあったので全貌が見えなかったのですが、普段はこんな感じなのですね。
このブランデンブルク門から東に向かってウンター・デン・リンデンという並木道が伸びているのでそこを闊歩することにしました。ところが結構大がかりな工事がやっていたらしく、かなりごちゃごちゃした風景。
あまりに暑いので並木道の途中にあるカフェで休憩。こちらがベルリン名物の「カリーヴルスト」です。その正体はカレー粉とケチャップがかけてあるソーセージなのですが、これを食べるまでは絶対に帰れないと思っていましたが、とうとう食べましたよ(笑)
途中の交差点で信号機を見遣ると、ミッフィーじゃない何者かが見えました。そう、彼こそがアンペルマンという信号機から生まれた人気キャラクターです!
上の信号のすぐ脇にあるその名も「アンペルマン」というグッズ売り場。特に買い物をしたい気分ではなかったのですが、携帯電話用のストラップを2点程購入してしまいました。ご希望の方はご連絡ください(笑)
アンペルマンをさらに超えて、ウンター・デン・リンデンの東端にやってくるとフリードリヒ大王の騎馬像が立っていました。
さらに東に歩いて行くと、左手に現れるのがご覧のフンボルト大学。女学生は見当たらなかったようでしたが・・・
大学のお向かいにはベルリン国立歌劇場が。ご覧の通り結構大規模な改修作業中である模様でした。
もっと歩いて行くと、右手に現れるのがこの不思議な建物「フンボルト・ボックス」。フンボルト尽くしですね。かつてこの場所に建っていたベルリン城を再建するプロジェクトがあるそうなのですが、それを紹介するための文化施設だそうです。素通りしましたけどね。
こちらはベルリン大聖堂。高さ114mとのことですが見事なもんです。ご覧の通り聖堂前の公園はナロード達の憩いの場となっています。わたくしもしばしここで休憩。
ベルリン大聖堂の裏手はシュプレー川なのですが、そのほとりにあるのがご覧のDDR(東ドイツ)博物館。併設のレストランで東ドイツメニューを食べることが出来るらしいので明日改めてくるつもりです。
「赤の市庁舎」とも呼ばれるベルリン市庁舎。後ろに見えるのがテレビ塔です。
マリエン教会。森鴎外の「舞姫」で出会いの舞台となった教会だそうです。「舞姫」を読んでいなかったことが悔やまれます・・・
暑い中よく歩いたので夕食前にホテルに戻って一休みしようか、なんて思ったので、テレビ塔の脇にあるアレキサンダープラッツ駅までがんばって歩いて行きました。
アレキサンダープラッツ駅で見かけた広告。なかなかいいですね。
ホテルに帰り着いてクーラーをかけていたら案の定ウトウトと寝入ってしまいました。今晩はどんなドイツ料理を喰らってやろうかとも思っていたのですが、辺りは暗いしこれから電車で移動するのなんかは面倒くさい・・・
結局のところ、ふらりと中央駅に出かけて行ってアジア食堂的なお店に入り、サッポロビールを飲みつつフォーを啜って簡単に夕食を済ませました。でも、この後ホテルでビールを2杯飲んでから寝ました・・・カロリー節約ならず(笑)
明日の夕刻便で帰るので、明日はDDR博物館とカリーヴルスト博物館にでも足を伸ばしてみようと思います。
↓とにかくビールが美味しかったです↓
- ドイツ週末紀行其ノ四 花より団子作戦
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2014.11.16 Sunday(7月21日のお話)
昨日は大学時代のタワーリシにも再会出来たし、子育ての研修も出来たし、ベルリンの壁も見られたし、盛りだくさんの日でした。今日の夕方のフライトで帰るので、昨日の帰り道に通りかかったDDR博物館とカリーヴルスト博物館に顔を出してから帰りたいと思います。
というわけでやってきましたDDR博物館。DDRとはドイツ民主共和国(Deutsche Demokratische Republik)、通称「東ドイツ」の略称です。
かなりの数の訪問者で賑わっていましたが、それもそのはず、内部では東ドイツ時代のナロードの生活に関する多くの展示を見学することが出来るのです。
こちらは東ドイツ時代に国民車と言われたトラバント。多くのファン(?)がひっきりなしに群がっていました。
当時のナロードが使用して茶器や食器でしょうか。マルクスみたいな人の顔がプリントされているのが見えます。
東ドイツの青年たちは、このラジカセで音楽を聴きながら、スタンドの灯りでせっせと勉強していたのでしょうか・・・
同志レーニンが・・・
当時の東ベルリンの街の空気を切り裂いていたと思われるバイク。
一言でいうと嗜好品ってやつですかね。
「東ドイツ製」というアネクドートですね。オチはわかりましたか?(笑)
市民の暮らしの中の日用品にスポットがあたっているのがなかなか面白いところです。
至る所にこのような引き出しがあって、開ける度に色々なアイテムが飛び出してきます。DDR博物館ではとにかく引き出しに注意してください(笑)
東ドイツでの刊行物です。アネクドート集がどれだけあったかは定かではありませんが・・・
なんと、「居間」ですら展示されていました(笑)東ドイツの暮らしを疑似体験出来てしまいますよ。
マトリョーシカは見逃さないぜ・・・
もちろん、洗面所もトイレもあります。こちらなんかまさにロシアの地方都市のそれですよね。
キッチンだってあります。ああ、ボルシチ飲みたい・・・
こうした場所では展示品を手に取ってレトロを体感することが出来ます。東ドイツに興味津々なタワーリシ各位はチャンスを見つけて是非とも訪ねてみてください。
計画経済と綿花不足により化学繊維を用いた衣服がほとんどだったんですね。衣服には凝れないので、変化はアクセサリーでつける、と。
というわけで、ライプツィヒの美人さんたちらしいです。
ポリエステル製のイブニングドレス(を身にまとった美人さんたち?)
しっかりと現物展示も為されていましたよ。
Levi'sのデニムなんかは本当に品薄で取り合いだったとか
キリル文字で書かれた直筆書簡。モスクワ在住のイリーナさんがお友達に「なんでお便りくれないの?」みたいなこと書いてます。
キリル文字アルファベットに関する説明なんてもしっかりされていました。私はこれまでポーランド語とかチェコ語とかをゆる〜くかじりましたが、やはりローマンアルファベットとキリルアルファベットを比較すると、スラヴ語をやればやるほどキリル文字の便利さを感じずにはいられませんね。
「キリル文字をスタディしちゃおうぜタワーリシ各位!」みたいなコーナーもありましたよ。もっと気の利いたフレーズを残しとけばよかった(笑)
博物館内には見学可能な独房もあります・・・
某Volvo社の車両が展示されていました・・・
東ドイツのナロードの皆さんにとってVolvo車ってどんな位置づけだったんでしょうね・・・
博物館内の見学を一通り終えると、博物館内のレストランに出ることが出来、こちらでは東ドイツ時代の料理を楽しむことが出来ます。私がここにきた目的は博物館内の展示よりもむしろこちらが主な狙いだったのです。そう、「花より団子作戦」の全貌はこれです(笑)
メニューを見ると、料理によっては東ドイツ市民の生活に密着したコメントがついていて楽しませてくれます。
まずは、何はなくともビールで乾杯。暑いので沁みわたります。
レストラン内は結構オシャレで、誰でも気軽に腰かけて楽しめる雰囲気です。私の前のテーブルには1人旅と思われるお嬢さんが腰かけていらしたのです・・・
メニューを熟読した後、東ドイツで広く飲まれていたというスープであるソリャンカСолянкаを注文しました。ロシアやウクライナのスープと思っていましたがやはり東ドイツのナロードも飲んでいたのですね。スメタナも乗っててボルシチみたいです。ちょっぴり塩味が強かったですがビールのお蔭で美味しく頂きました。
そして、メインはご覧のポークカツレツとポテト・・・もの凄いボリュームですね。まだお天道様が昇っているとはいえ、これはカロリーがハンパない数字になることを考慮し、鉄の意志でポテトは半分残しました。ちなみに写真の飲み物はVita Colaという東独生まれのコーラ飲料です。レモン風味が強くてなかなか美味しいですよ。
お昼過ぎにはカリーヴルスト博物館に寄ってから空港に向かいます。
- ドイツ週末紀行其ノ五 花より団子作戦・改
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2014.11.25 Tuesday(7月21日のお話の続き)
さて、DDR博物館にてDDRの暮らしと料理を満喫した後は、カリーヴルスト博物館に寄ってみたいと思います。
カリーヴルスト博物館は、一昨日うろちょろした壁博物館のある「チェックポイント・チャーリー」から程近くにありました。
外観はこんな感じです。わかる・・・ドイツ語がわかるぞ・・・
早速入館するといきなり目に入って来たご覧のカウンター。カシャカシャと結構なスピードで増えていきます。日本の借金が一秒でいくら増える、みたいなカウンターをみたことがありますが、カリーヴルストの消費量というのもなかなか凄いですね。ベルリンだけで3億4千万本・・・ドイツ全土では42億本・・・
「カリーヴルストは単なるソーセージに非ず。それは人生経験のひとつである云々・・・」と、なかなかアツいことが書かれていますね。
カリーヴルストにフォークを刺したピンが示しているのは、そう、ベルリン市内のカリーヴルストスタンドです。いったい何件あるのやら・・・
そして、こちらは世界中でカリーヴルストを食べられる場所を示したカリーヴルスト地図といったところでしょうか。日本では六本木のBernd's Barというお店が載っていました。
博物館の中は外から見たよりも広く、あちこち歩き回れてしまう感じです。私がいった時は結構人が途切れずに来ていた模様でした。
少し座って休憩したいな、というときはこちらのソファーをどうぞ・・・ってここまでカリーヴルストかい!(笑)
写真つながってないですが、一口にカリーヴルストと言っても色々な姿を見せてくれるのですね・・・
カリーヴルストを食べるためのツールも奥が深そうです・・・茶道の道具みたいなイメージですかね。
カリーヴルストのスパイスについて説明が為されている部屋。凄まじい種類のスパイスが配合されている雰囲気です。中央の棒みたいなもので「ききスパイス」も出来ますよ。
ホール中央の天井からはケチャップが滴り落ちてきています・・・
「ホメロスの『オデュッセイア』の中では、オデュッセウスとイルスが戦ったのち勝者には褒賞としてソーセージが与えられた云々・・・」
割と知られているかもしれませんが、ビストロという語はもともとロシア語です。
カリーヴルストの素人である私にとってはこれだけ見ただけでも凄いと思えるほどだったのですが、食べるだけじゃ嫌だ!というタワーリシ各位のために、カリーヴルストの模擬店も設置されているんですよ。
というわけで屋台?の厨房に潜入してみました。
やっぱりフライドポテトは必須アイテムなんでしょうね。美味しいけどカロリーがねえ・・・
将来カリーヴルストのお店を切り盛りしたいと考えている人にとっては非常なモチベーションになること間違いナシでしょう。「へい、らっしゃい」みたいな体で写真撮影も出来ますよ。
何だか少年たちの声が騒がしいぞ・・・と思って辺りを見てみると・・・
そこにありましたのは少年たちが夢中でチャレンジしていたバーチャルカリーヴルスト調理体感器具、その名も"Curry Up!"・・・Hurry Up!と掛っていることは自明と思うのですが、マニュアルに沿って60秒以内でカリーヴルストを作れるかどうかチャレンジする装置です。やろうかどうしようか真剣に悩みましたが、近くにいた兄弟がやるのを見ているのみに留まりました(笑)
博物館内の見学を一通り終えると、博物館脇の食事スペースに出ることが出来、こちらではモチロン!カリーヴルストを楽しむことが出来ます。私がここにきた目的は博物館内の展示よりもむしろこちらが主な狙いだったのです。そう、「花より団子作戦・改」の全貌はこれです(笑)
カリーヴルストを注文し、迷いに迷った挙句ビールも注文したまではよかったのですが、何故か更にコップに入ったカリーヴルストが付いてきました・・サービス品か試供品だったのかな・・・フツーに美味しかったのですが、カロリーになってしまったことは間違いありません。
こうして私はカリーヴルスト博物館を後にしたのでした。また来るかどうかはわかりませんが、カリーヴルスト通でなくても十分楽しめますので興味がある方は是非とも足を運んでみて下さい。
博物館を出た後は鉄道でホテルに戻って鞄をピックアップし空港に向かいました。時間が少し厳しいかな?と思いましたが、実際は結構早めに到着出来てよかったです。
え〜とですね、フライトのゲートがなかなかアナウンスされないので、最後の一杯をやってしまいました(笑)「いや〜、もの凄い暑さだったけど、ベルリンの壁も見られたし大学の同期にも会えたし、その他諸々が満載のベルリン紀行だったなあ・・・」なんて考えながらグビリと飲むのは最高ですね。毎度なんやかんやで週末紀行で充電してこそ平日もがんばろうという気になるもの。
適度に放電しつつ、そしてビールは控えつつ、またゆるくがんばります。ベルリン紀行、オススメですよ!