(5月19日のお話の続き)
さて、お腹も一杯になりましたし、しばし休息も取れたので引き続きブラチスラヴァ散策を続けますよ。
あ、どうも、暑い中お勤めご苦労様です。迎えて頂いた上に帰りも送り出してもらって恐縮です。
お昼から午後にかけて随分観光客の数も増えてきたみたいですね。
先程のMichalska通りを下っていると、ハープを弾いているハンサムな青年がいました。優しい音色に道行く人々が足を止めしばし聴き入っていましたよ。
さて、先ほどのペスト終結記念碑の辺りまで戻ってくると、何やらブルージィな音が聞こえて来ました・・・
なななんと!木陰にお爺さんが腰かけて独りバンドを演っているではありませんか!
ギター、ハーモニカ、膝の上には鍵盤、そして足で演奏するミニ・ドラムセット・・・腰かけている台にはアンプが組み込まれているのかな?全てが完結していました。いやあ、美しい。
いいねえ、と思いながら眺めていると、近くにいたアメリカ人と思しきカップルが華麗なステップで踊りだしました。奥様もノリノリでやってましたがなかなかステキなご夫妻ですね。2周目も踊ってたみたいだったのできっと好きで普段からステップを踏んでいるのでしょう。いやあ、羨ましいかぎりです。
こちらは先程いた場所から道を渡り、お城の方へ上っていく道の脇にある建物。完全に気配を消していましたが時計博物館です。ロココ様式という建築様式であるとのこと。ロココ様式、詳しくもないですがどこかで聞いたことがあったような・・・と思っていたら、「琥珀の間」で有名なサンクトペテルブルクのエカテリーナ宮殿もこの様式であるそうな。まあ、琥珀の間に行ったことはないんですがね・・・
私の前には一人も見学者がいなかったようで、受付の女性は読書に熱中していました。「ドブリデン」と挨拶して入っていくと若干驚いたような面持ちで迎えてくれました。
私は時計には全く詳しくないのですが、ひょっとしてマニアの方もいらっしゃるかもしれませんのでせっせと写真を貼らせて頂きます。3フロアに渡って約60個も時計が展示されているそうですよ。
時計を製造、整備する際の工具でしょうか・・・?
時を刻んでいない様々な時計たち。
こちらはかなり大きいですが、時計の仕組みのキモとなる部分、でしょうか・・・?
こちらのボードには人類の時間測定の歴史が記されていました。
紀元前35世紀 太陽、月、星を利用して時間を計る初の試み
紀元前15世紀 古代エジプトの日時計(現存する最古)
紀元前14/15世紀 古代エジプトの水時計(現存する最古)
紀元後13/14世紀 機械式時計の発明
王冠歯車(スピンドルステップ)の発明
紀元後15/16世紀 時計製造にスプリングドライブを導入
初の機械式腕時計の誕生
1657年 Christian Huygensが振り子時計を発明
1658年 Robert Hookがぜんまいばねを使用した振り子時計を発明
1670-1671年 ロンドンの時計職人William Clementがアンクル脱進機を発明
紀元後17世紀 懐中時計の発明
1715年 George Grahamが静止型脱進機を発明
1721年 John Harrisonがグラスホッパー脱進機を発明
1845-1847年 英国人Alexander Bainが電気時計を製造
紀元後20世紀 電子時計、クォーツ時計、原子時計の時代
マニアからすると「そうそう、あいつがあれ発明したんだよな〜、くぅ〜!」ってな事柄ばかりなのかもしれませんが、私にとってはわからないことだらけ。何だかとっても勉強になった気すらしてきますが、あくまで出典はブラチスラヴァ時計博物館ですので試験などの準備をされている方はご注意下さいね。
上で記した時計の歴史を読んでから見るとまた違って見えてくるものですね・・・振り子時計なのかな?
真ん中には砂時計がありました。砂時計なぞ久しく手にしていないです。
これは毎時を音で知らせる機能がついた時計でしょうか?ベルのようなものが付いています。
本当に様々な時計がありますね。あ〜あ、あの頃に戻れたらなあ・・・なんてね。
こちらは時計と入れ物が合体しているのでしょうか・・・?ほとんどが疑問形ですみません(笑)
腕時計があまり好きでないもので、いっとき懐中時計にハマりそうになった時がありましたが、何とか回避しました。
時計も奥が深そうです・・・
見学者が私以外誰もおらず、静寂の中で時計見学は続いていきます。
これはかなりステキですね!貴族のお屋敷とかにありそうな感じの1台です。
なんでも鑑定団みたいなのに出したらどれほどの値がつくんだろう・・・
ソ連の勲章ではありませんよね・・・?
結構端折ってる気がしますが、それでも本当にたくさんの時計が展示されていました。
Figurative motifの壁掛け時計。鳥なのか、想像上の生物なのか・・・
壁掛け時計にも様々なバリエーションがあって面白そうですね。個人的には右の時計に惹かれます。
絵画に交じって完全に気配を消している時計たち。
とうとう私の後に見学者は1人も来ませんでしたが、おかげで時間を気にすることなく時計を見ることができましたよ(笑)
時計博物館を出た後は、お城を目指して坂道をせっせと上っていきます。
坂の途中にあったレストラン。ウェイターさんの横の黒板に各国語であいさつが書いてあり、"Здравствуйте"があったのでパシャリ。まあ、このサイズだと見えませんけどね。
上がチェコ語、下がスロヴァキア語です。意味はわからなくてもそっくりなのが見て取れますね。
お城を囲む城壁の外側の道からはブラチスラヴァの街を見渡すことが出来ます。左側が旧市街のあたりですね。
今日もドナウは流れています・・・当たり前ですが。
ベンチに腰掛けて地元民のおしゃべりに耳を傾けていたら可愛らしいワンちゃんがやってきました。独り暮らしで犬でも飼ってたらさぞかし面白いだろうななんて思ったりもしますが、ペットを飼うとなると週末紀行が出来なくなっちゃうんだろうなあ(笑)
「ブラチスラヴァ城」Национальный исторический памятникというところですか。
お城に入る前に右を向くと見える建物が国会議事堂です。
ご覧ください!見事にテーブルがひっくり返っています!空の青とお城の白い壁が爽やかでいいですね。
敷地内への門はこんな感じです。ここの左手には博物館とカフェもあるんですよ。
騎馬像の向こう側に中庭への入り口があるのですが、お城の内部ではいくつかの展示が為されていたみたいです。歴史博物館と、あと何だったか失念しましたけど。国旗もはためいていてお城にやってきた感はあるのですが、結構地味ですよね。
お城の建物の東側には昔の教会だか聖堂だかの跡地になっている部分もあります。史跡マニアの方々にはこういうのはたまらんのかも知れませんが、残念ながら私には説明書きも読めませんでした・・・
敷地内はちょっとした公園になっている場所もあり、犬を連れて散歩する人や読書をする人、愛を語らい合う人や観光客で大賑わい。うまい具合に人が途切れた瞬間を撮った一枚。このすぐ近くに見晴らしの良いレストランもあってとても良い雰囲気でした。
結局お城の周りや内部でうろちょろしたり、ぼんやりしたり、気持ちがよくて長いこと過ごしてしまいました。時計を見ると5時も過ぎたところだったのでウィーンに帰るべく、お城から坂道を下ってバス停の方へ戻りました。
ところが、なんと帰りのバスが次に来るのは1時間以上も後らしい・・・ここでずっと待っているのもなあ、と思ったので帰りは鉄道で帰ることにしました!
ということで、トラム、ロシア語で言うところのТрамвайに乗って中央駅を目指しました。モスクワ留学中には乗車中にトラムが故障して皆で降りて歩くという経験を何度か味わいましたが、今回は問題もなく駅に到着。安心のEUクオリティ、でしょうか?(笑)
ブラチスラヴァ中央駅。どこの街でもそうですが駅の周りは本当に往来が激しいですね。
こんな感じの窓口で切符を買います。「英語で平気かな?」と思ったら通じました。ヨカッタ。
いやあ、日帰りだったけどブラチスラヴァはなかなか落ち着いていて素敵な街でした。暑い中あちこち歩き回ったので結構疲れました。いつになるかわかりませんが、次回来る時は是非ともドナウ川を船で下ってみたいですね。
列車の中は幸い空いていました。ウィーンまでだらだらして過ごすよ〜
途中で激しい雷雨になり一度車両が停止したのですが、夕立だったせいかすぐに持ち直し大した遅れもなくウィーンに帰ることが出来たのでした。
ウィーンなう。の図です。
ウィーンについても特に当てがなかったので、とりあえずホテルに戻りました。ベッドに横になって一息つきながら、「明日帰るから今晩が最後の夜か、、夕飯どうしよう・・・」なんて考えていたら、いつもの通り?ウトウトと眠り込んでしまいました(笑)起きたころには20時過ぎでしたが、いい具合にリフレッシュ出来たので問題なし。
昨晩は皆様ご存知の通りロシア料理の夕べだったので、「やっぱりウィーンに来たからにはシュニッツェルを食わずに帰れるか!」と、結局ウィーン料理を追い求め夜の街を彷徨うのでした。「日光を見ずして結構と言うなかれ」という気分です。
というわけで、シュニッツェルにしようか、牛肉の煮込み料理ターフェルシュピッツにしようか、牛肉シチューグーラシュにしようかと、本に載っているようなレストランは歩いて回ったのですがどこも観光客でイッパイ。どうしようかと随分歩き回ったのですが、モーツァルトハウスのすぐ隣になかなか雰囲気の良さそうなお店を見つけました。
お腹も減ってきていたので「独身1名だいじょぶですか?」と言ってエイッと飛び込んでみました。なかなか暖かい雰囲気の内装です。
ビールが好きなんじゃない、、、ビールの向こう側のもう1つの世界を見るのが好きなんだ・・・
というわけで、本当に毎度恐縮なのですが、皆様テーブルクロスのご用意を!(笑)
お魚のリゾット。リゾットなんておしゃれなものは今まで数えるほどしか口にしたことがありませんでしたが、普段お米を食べていないこともあってか非常に美味しかったです。お魚のエキスもよく浸みていましたが、レモンの効果でとてもさっぱり頂くことが出来ました。
そしてリゾットをクリアした私の前には、そう、キエフカツレツ・・・ではなく、シュニッツェル(仔牛のカツレツ)が立ちはだかったのである・・・!
「な、なんて大きさなんだ・・・?」という声が聞こえてきそうですが、ヴィーナー・シュニッツェルは薄く切った肉をハンマーで叩き更に薄くしてから揚げ焼いて調理しているとのこと。実際に食べてみると日本の豚カツとかウクライナのキエフカツなんかと比べて非常に軽い口当たりでした。
途中で年配のウェイター氏(給仕長とかかな?)がサービスだといってお酒を持ってきてくれました。ここで26年務めているそうです。お酒はプラムか何かのフルーツで作られているリキュールで、強かったですが美味しかったです。内側からカッと熱くなりました。
シュニッツェルを平らげて、ウィーンでのご当地グルメもしっかり楽しんだぞ、なあんて思っていると、働き者のウェイター氏がやってきて悪魔の言葉を告げました・・・
「デザートは、何をお持ちしましょうか?」
・・・やっぱり聞いてくれたのね。いやあ実はこちらもどうしようかと思案していたところなのですが、せっかくのウィーン紀行なので食べないわけにはいかないよねえ、、、
というわけで、結局ザッハートルテを注文してしまいました。はっはっは、こりゃいつもの通りこれでカロリー超過だな(笑)と笑い飛ばしましたが、すでにシュニッツェルで超過していたかもね。甘さ控えめで大変よござんした。
働き者のウェイター氏。色々とリコメンドしてくれてどうもありがとう。とても美味しい夜を過ごすことが出来ました。ご馳走様でした。
後で調べてみたところ、レストランはKönig von Ungarn「ハンガリー王」という名前のウィーン最古のホテルのレストランだったみたいです。困った時のモーツァルトではないですが、モーツァルトを頼りにして入ってよかった!誰かウィーンに旅行に行く人がいたらオススメしてもいいと思えるお店でした。
帰りは少しでも腹ごなしをするべくあちこち迂回をしてホテルに戻りました。明日20日の夕方にウィーンを出発するので、午前中は少しばかり郊外の方にでも行ってみよう、なんてことを考えながら眠りにつきました。
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